関西弁は日本の方言の中でも、語彙やイントネーションが特徴的で、親しみやすいですよね。
その中でも、関西弁の早口言葉は、一度聞いたら繰り返してしまいたくなる魅力的なものばかりです。
この記事では、関西人しか読めない面白い文章として、関西弁の代表的な早口言葉をご紹介します。
関西人しか読めない早口言葉集
大阪弁で一番有名な早口言葉「あんたあんた」
関西弁で「あんた=あなた」という言葉の早口言葉があります。
とにかく、あんた盛りだくさんで攻めてくるので、面白いですよ。
早速、挑戦して攻略みましょう!
あんたあたしのことあんたあんたと言うけど、あたしもあんたのことあんたあんたと言わへんから、もうあんたもあたしのことあんたあんた言わんといてよ、あんた!
分かりやすく言い換えると
「あなた(あんた)は、私のこと(あたしのこと)を、『あなた、あなた』(あんたあんた)と言いますが、私(あたしも)も、あなたのことを(あんたのこと)、『あなた、あなた』(あんたあんた)と言わないから(言わへんから)、もうあなたも(もうあんたも)、私のことを(あたしのこと)、『あなた、あなた』(あんたあんたと)と言わないでよ(言わんといてよ)。あなた(あんた)!」
となります。
このような言葉を実際に使用する場面があれば、非常に緊迫した状況の可能性が高そうです(笑)
あんたと言わないからと言ったのに、結局最後にあんたって言っちゃってますよね。
この早口言葉は「あんた」を「あなた」、「言うけど」を「と言うけど」、「言わへん」を「言わない」、「言わん」を「言うな」と変えるだけで標準語にできます。
関西弁では否定の「~へん」や命令の「~や」という表現がよく使われます。
一口に「あんた」と言っても、質問している「あんた」なのか、命令している「あんた」なのかによってイントネーションも違いますよね。
関西の方言で早口言葉「おっとっと」
「おっとっと」を使った早口言葉もあります。面白いですよね。
「おっとっと」というお菓子と、物を取っておいてほしいという意味の方言「とっとって」を組み合わせた早口言葉です。
「おっとっととっとってって言っとったのに、何でとっとってくれんかったん?とっとってって言っとったやん」
この早口言葉は、促音が多く使われているため、文章にすると見づらいですね。
では分かりやすく直してみるとこうなります。
「おっとっとを取っておいて」と言ったのに、どうして取っておいてくれなかったの?取っておいてと言っていたじゃない」と言っていたんだよ。
となります。
どれほど、おっとっとが食べたかったのでしょうか?
おっとっとが大好きなんだということがひしひしと伝わってきますね。
個人的に一番難しいのが、とっといてくれへんかったん?このかったん?でつまるところだと思います。
とにかくこの小さい「っ」が多いところが難しいですね。
この「~取っておいて」という表現は兵庫県の方言のようです。
慣れるまでは発音しにくいと思います。
促音が2回連続する言葉には、それぞれ異なるイントネーションがあるため、言いづらい場合はイントネーションにも注意すると良いでしょう。
また、少しゆっくり口にすると、より簡単に言えるかもしれません。
関西弁で「うち」の早口言葉に挑戦
「うち」という言葉は、関西地方で使われる代表的な方言の一つです。
それを使った早口言葉に挑戦してみましょう。
「うち、うちのうちわでウチノをあおぐから、ウチノはウチノのうちわでうちをあおいで。これ、ウチノとうちのうちうちの話」
この早口言葉を標準語に直すと
「私(うち)、私(うち)のうちわで内野をあおぐから、ウチノ(うちの)は、ウチノ(うちの)のウチワで私をあおいで。これ、内野(うちの)と私の内々の話」
となります。
もう、ウチノも私(うち)も扇風機使えよ!と言いたくるような、早口言葉ですね。
こんな話を内々の話にするところが、たまらなく可愛いですよね(笑)
「私」という意味の「うち」さえ押さえておけば後は意外と簡単です。
また、「うち」「うちわ」「内野」「うちうち」が”うち”の連鎖が混ざり合ってて凄いですよね。
このように分解してみて、それぞれの言葉の意味を理解すると意外と簡単に感じるかもしれません。
実際に口に出して言ってみましょう。
中級編!関西弁の早口言葉「さら」
新しいことを意味する関西弁「さら」を使った早口言葉は以下の通りです。
「さらのさら、さらしでさらさら巻けて言うたよな、サラ。割れたさらのさら、今さら、さらしで巻くて何さらしとんねん、サラ」
これを標準語に直すと、
「新しい皿(さらのさら)、さらしでさらさら巻いてって言ったよね、サラ。割れたサラの皿を、今更、さらしで巻くって、何をしてるの?サラ」
となります。
一度は言ってみたい関西弁「何さらしとんねん!」が入っています。
嬉しいですね。この部分、思い切って声を張り上げましょう。気持ちいいですよ(笑)
この早口言葉では、『さら』や『皿』、『さらし』、『サラ』などの単語が登場しますが、それぞれの発音に注意して口に出すことが大切です。
また、最後の「何さらしとんねん」は、大阪府の河内地方で使われる言い回しで、怒鳴りつけるような感じで「何をしているんだ」と相手を問い詰めるときに使われる言葉です。
この早口言葉を正しく発音するには、リズムやイントネーションに気をつけてください。
関西弁に慣れていない人でも、各単語の意味を理解してから発音すれば、すらすら言えるかもしれません。
中級編!関西の早口言葉「わしわれ」
われわしのことわれわれ言うけど、わしわれのことわれわれ言わんから、われもわしのことわれわれ言うなや、われ
ちょっと渋い感じの早口言葉ですね。
われ(お前)、わし(俺)のこと、われわれ(我々)言うけど(言ってるけど)、わし(俺)われ(お前)のこと、われわれ(我々)言わんから(言わないから)、われ(お前)もわし(俺)のこと、われわれ(我々)言うなや(言うなよ)、われ(お前)
これも、最終的に、われって言わないって言ったのに、言っちゃってますよね(笑)
この辺りのお笑い要素も、関西っぽくていいですよね。
なぜか、渋い男性のイメージが浮かびます。渋い男性になったつもりで、ワレを連呼しましょう!
上級編!この早口言葉が読めたら関西人「ちゃうちゃう」
この「ちゃう」という早口言葉は、とても有名ですよね。
「ちゃう」という関西独特の表現がしゃべっているだけで楽しくなっちゃいますよね。
では、上級編の挑戦してみましょう!
「あれチャウチャウちゃう?ちゃうちゃう!チャウチャウちゃうんちゃうん?」
これは犬種のチャウチャウと関西弁の「ちゃう」という言葉を組み合わせたものです。
この早口言葉を分かりやすいように言い換えてみると、
「あれはチャウチャウではないでしょうか?」「いいえ、あれはチャウチャウではないのではないでしょうか」
という文章になります。
「ちゃう」には質問を表す「ちゃう?」と否定の「違う」がなまった「ちゃう」の2つの意味があったんですね。
この関西の早口言葉は言っているだけで、関西人になれたような気がして楽しいですよね。
「ちゃう」これも憧れのワードですよね。
ここはあえて、さり気ない感じで「ちゃう」を連呼してみると、ぐっと関西弁っぽくなると思います!
普段なかなか言えない「ちゃう」「あんた」など、文章として読むのは難しいですが、関西人になりきって読み上げると言えちゃったりするから、不思議ですよね。
家族やお友達同士で、この早口言葉に挑戦してみませんか?
もし早口でこの言葉を言われた場合、バッチリ聞き取って意味を理解できたなら、あなたはもう立派な関西人です!
さらに難しい早口言葉はこちら
方言の早口言葉がかわいいと感じる理由
方言の早口言葉ってかわいいですよね。
その理由は、方言がもつ独特のリズム感や、地域の文化や風土を感じさせるからだと思います。
方言は、その地域で生まれ育った人々が使う言葉であり、その地域ならではの文化や風習が反映されています。そのため、方言がもつリズム感や韻を踏んだ言葉遊びは、その地域の特徴を表していると言えます。
また、方言の早口言葉は、その地域で育った人々が日常的に使っている言葉であり、その地域の文化や風土を反映しています。そのため、方言の早口言葉を聞くことで、その地域の雰囲気や人々の性格まで想像できるのです。
さらに、方言の早口言葉は、地域性が強いため、他の地域の人にとっては聞き取りにくく、不思議な響きがあります。そのため、方言の早口言葉を聞くことで、新鮮な驚きや面白さを感じることができます。
方言の早口言葉は、地域の文化や風土を反映した、独特のリズム感や韻を踏んだ言葉遊びがあるため、かわいいと感じる人が多いのです。
方言の早口言葉を聞くことで、その地域の雰囲気や人々の性格を感じたり、新鮮な驚きや面白さを感じることができます。
関西以外の地方の早口言葉
関西弁の早口言葉は有名ですが、他の地方にも面白い早口言葉があるんですよ!
今回は、熊本弁、大分弁、津軽弁、名古屋弁の早口言葉をご紹介します。
熊本弁の早口言葉
「おっとっととっとってっていっとったとになんでとっとってくれんかったと?」
まるで暗号のような早口言葉ですね。
意味は
「お菓子の「おっとっと」を取っておいてっていったのに、なんで取っておいてくれなかったの?」
です。
これを早口で言われたら、熊本弁がよく分からない人には完全にノイローゼになってしまいそうです。
大分弁の早口言葉
「ぷっちょとっちょってっちいっちょったんになんでとっちょってくれんかったん?」
なんだか「ちょ」がたくさん出てくる早口言葉ですね。
意味は
「ぷっちょ取っておいてって言っておいたのになんで取っておいてくれなかったの?」
らしいですが、意味が分かってもすらすら読むのは難しいですね。
津軽弁の早口言葉
次は津軽弁の早口言葉を紹介します。
「しゃべれば しゃべったって しゃべられるし
しゃべんねば しゃべんねって しゃべられるし
どうせ しゃべられるんだば
しゃべんねでしゃべったって しゃべられるより
しゃべってしゃべられだって
しゃべられだほうがいいって
しゃべってたって しゃべってけ!」
これを通訳すると
「喋れば、喋ったって言われるし
喋らないと、喋らないって言われるし
どうせ言われるなら、
何も喋らないって悪く言われるより
喋りたいことを喋って悪く言われる方がマシだ
って喋ってたよ、って伝えて。」
という意味になります。
これは地元の人でも難しいと言われています。
すらすら言えたら津軽弁マスターですね!
名古屋弁の早口言葉
「キットカット買っとかんといかんかったのに、あんたが買っとかんかったでいかんかったんだわ。」
これは
「キットカットを買っておかないといけなかったのに、あなたが買っておかなかったからいけなかったんだよ。」
という意味です。
関西以外の地方にも、面白い早口言葉があるんですね。
訛りが入ると、なんだか愛嬌があったり、言葉が混沌としてしまったりするのが、早口言葉の醍醐味かもしれませんね。
関西弁の早口言葉まとめ
・関西弁には、多くの面白い早口言葉が存在する。
・方言の早口言葉には、その土地ならではの文化や歴史が詰まっている。
・関西以外でも、独自の早口言葉が存在し、各地の魅力を感じることができる。
関西弁をしゃべりたい人や関西地方に興味のある人は、今回紹介した早口言葉をぜひ練習してみてください!
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