紀元前の昔から、哲学者と呼ばれる偉人たちが残した言葉や研究は今なお私たちを励ましてくれたり、寄り添ってくれたり、考えさせてくれると思うことがあります。
「そうそう!」と同調したり、「いや、そんなことは今の時代には合わないよ」と考えたり、感じたりしながら読んでみてください。新しい発見があるかもしれません。
哲学者の短い名言については、こちらで詳しく解説しています。合わせてお読みください。
哲学者の名言の面白い内容とその特徴
哲学者たちの名言は、現代を生きる私達になぜ、響くのでしょうか?
そしてまた、哲学者たちの名言にはどんな特徴があるのでしょうか?
そもそも、哲学の名言ってどんなものがあるの?という方に、
まずは、こちらをご紹介します。
モンテスキュー
この世で成功するコツは、バカのように見せかけ、利口者のように行動することである。
昔読んだ推理小説にもこのような手段で、復讐を果たす。というのがありました。人は自分より劣ると思える相手には、口が軽くなります。そこから得た知識を有効に使えるようになると面白い結果が得られます。
ルソー
知らぬものは決まっておしゃべりだが、知るものは決まって無口である。
孔子
知るものは言わず、言うものは知らず
孔子も、ルソーも同じような言葉を残しています。
賢い人は、余計なことは喋らず、必要に応じて質問に答えてくれたり指導してくれますが、知識の浅い人は、自分だけが知っていると勘違いして本当によくしゃべります。
哲学者の名言が人生を深く考えさせる
哲学者たちの名言は、私達の人生を深く考えさせてくれます。
それは、今も昔も、人生の普遍性を指摘しているからかもしれません。
太古から変わらない悩みをもつ人間って、面白いですよね。
では、人生を深く考えさせられる名言を見てみましょう。
キケロ
本のない部屋は、魂のない肉体に似ている
哲学者の格言には、本が教養をつける手段という内容のものが散見されます。
今のように、テレビ、ラジオ、活字、パソコンのように情報を入手できるルーツがたくさんあったわけではないので、本に埋もれているキケロが目に浮かぶようです。
キケロ
友情は幸福を向上させ、悲惨さをやわらげ、喜びを二倍にし、悲しみを半分にする。
キケロは友情について書いていますが、夫婦にも同じことが言えます。
楽しい時は二人で笑い、悲しい時は分かち合える人と一緒にいることが心の負担が少なくて済みます。
そういう人がそばにいることは、とてもありがたいことだといえます。
アリストテレス
知るものは行い、理解するものは教える
知ることと、理解することは違うことです。
ただ知っているだけですと、他人に伝えるのは大変難しいですが、本当に物事を理解するは、人に教えることができるようになります。
カント
動物を残酷に扱う人は、人間関係においてもつらくあたる。
私たちは、動物への接し方によってその人の心を測ることができる。
物いえぬ小さな命を粗末に扱う人はエスカレートし、事件を起こすという精神分析にも当てはまります。人でも動物でも生きているものへの敬意を忘れずにいたいと思います。
ルシュド
無知は恐怖を産み、恐怖は憎しみを産み、憎しみは暴力を産む。これが方程式だ
ちょっと怖くなる方程式です。
まさに戦争はこの方程式が当てはまります。
争いを起こさず問題を解決できるだけの知識があれば、命を落とすようなことは起こらないのだと言っている気がします。
サルトル
金持ちが戦争を起こし、貧乏人が死ぬ
サルトル自身が戦争体験者ということによる言葉です。
戦争特需という言葉がありますが、戦争によって潤う人たちが起こしているのではないかと言われていました。
そういう人たちは直接戦地に行くことはなく、免れる機会すらない人たちが戦地に行き、戻らない。
何度繰り返すのでしょうか。
ニーチェ
怪物と戦うものは、その過程で自らが怪物とならぬように用心しなければならない。深淵をのぞくとき、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。
有名な言葉です。ミステリー小説にはよく出てくる言葉です。
犯人の心理状態に近づきすぎて探偵が同じような事件を起こす。
という状況に追い詰められる場面に使われています。
エピクロス
わずかなものに満足できない人は、何を得ても満足できないものだ。
「何かを手に入れたことで、満足してしまうと向上できない」とも取れますし、「手に入れたことに感謝をすることが大切」ともとれます。
短いけど印象的な哲学者の名言集
哲学者たちの名言には、端的に私達に教えてくれている名言もあります。
では、短い印象的な名言を見てみましょう。
トマス・ホップス
好奇心は心の渇望である。
こういう先駆者たちが、好奇心を持たなければ、我々の今の生活は成り立たないと思います。
我々も、年齢関係なく、珍しい物新しい物に目を向けていけたらいいですね。
プラトン
自分に打ち勝つことが、最も偉大な勝利である。
何かをやり遂げようとしたときに、明日でいいや!とか、誰かがやってくれる!という甘えに打ち勝たなければ、成果は得られません。結構大変なことです。
マルクス
全てを疑え
研究者にとってみれば、基本的な考え方です。
人が出した結論の正しさは自分で必ず確認するべきなのだと思います。
ソクラテスの名言に学ぶ
哲学者と言えば、一番有名なのが、ソクラテスではないでしょうか?
では、ソクラテスの名言についてみていきましょう。
魂の探求のない生活は、人間にとって生きがいのないものである。
得意、不得意関係なく新しいものには、探求心や好奇心をもっていられるというのは、心も、体も、頭も老けないようです。
新しい何かに出会ったら、拒絶するのではなく、ちょっと触れてみましょう。
その結果が、嫌いならそれは仕方ないことです。
いかなる財宝と比べようとも、良友に勝るものはないではないか。
どんなに金品を得ようとも、本当にお互いを必要とする友達がいることが大切です。
本当の友達は、自分が間違った行動をしたり、発言をするときに、注意してくれたり、意見を言い合えることです。
世界を動かそうと思ったら、まず自分が動かせ。
世界とまで言わなくても、人を動かすリーダー論にも通じる考えですね。人を言葉だけで動かすのではなく、まず自分が動いて、手本を示すことを心掛けると、周りがついてきてくれます。
ニーチェの名言に酔いしれる
この瞬間を見よ。この瞬間という門から1つの長い永遠の道が後ろに向かって走る。
瞬間=現在のことです。今自分がいるのは「過去」があるからです。その過去が、良いことばかりではないかもしれないですが、それを含めて今の自分という存在。過去は過去として前を向いて進んでいきましょう。
己(おのれ) 自らを愛することを学ばなければならない。
自分を肯定してあげましょう。自尊心が高いとか身勝手とかということではなく、自分の否定ばかりしていると、落込むことが多くなりますよね。「自分なんか」とか「〇〇さんならうまくやれたのに」とか。自分だからここまでできたという考え方に変えていきましょう。
さてこれが、私の道だ。君たちの道はどこにある?
人と同じことをするのは、楽だけど窮屈に思うことはありませんか。自分が自分らしく歩くことが、大切です。
苦しみは人生からの贈り物
人生にはたくさんのつらいことが起きます。悲しいことも起きます。それは自分への罰だとか、不運というわけではなく、それを乗り切るチャンスだと思って乗り切ってほしいものです。といっても、なかなか難しいことです。苦しみを乗り切ると楽しいことがきっと起こると信じましょう。
きみたちは感覚でつかんだものを、とことん考え抜くべきだ。
アイデアが浮かんだら、すぐ実行に移すのではなく、「本当にこれでいいのか」をじっくり考えながら、実行に移すのがいいとアドバイスしてくれています。
実行力があることは、いいことなのですが、それによる影響なども考え合わせるとなおいいですよね。
恋愛に関する哲学者の名言
ニーチェ
最上の愛の杯の中にも、苦いものがある。
時には、意見の相違や、気に入らないことを言ってしまったりして、苦い思いをすることもあるのだけれど、それも含めて愛であろうということでしょうか。
復讐と恋愛においては、女は男よりも野蛮である。
いつの時代も、女性の復讐心は男性には理解しがたいくらい深いものです。深く相手を思う結果だとは思いますが、女性を恋愛で弄ばないように気を付けましょう。
プラトン
愛の一触れで 人は誰でも詩人になれる。
愛する人に自分の気持ちを伝えようとすると、自分も周りの人も驚くほど、自分の文才にもこんな文才があったのかと思うような素敵な言葉や表現、が生まれてきます。昔の日記やメールをみて恥ずかしくなるようなこともあるかもしれませんね。
パスカル
愛には年齢がない。それは常に生まれ続けるからである。
人を愛することに、年齢制限なんてありません。幼稚園児の時の初恋から始まり、」我々人間は幾度となく恋をします。年齢を重ねれば、若いこととはまた違う愛の形があるのかもしれません。生きる活力ですね。
皮肉に満ちた名言にも哲学がある
モンテーニュ
私が猫と戯れているとき、ひょっとすると猫のほうが私を相手に遊んでいるのではないだろうか。
手の上で転がしているつもりが、自分が手のひらで転がされているかんじでしょうか。
私たちは、3つの教育を受ける。1つは両親から。もう1つは校長から。そして、残りの1つは社会から教えられる。そして、この3番目は、はじめの2つの考えに全て矛盾するものである。
親や、学校で高等教育を受けても、社会に出てから役に立たないかもしれないと、ありがちな話ですね。親も学校も間違ってはいないのですが、社会人になったときに歩む道に有効かどうかは別問題ですね。
ヴォルテール
男がありとあらゆる理屈を並べても、女の一滴の涙には勝てない。
「涙は女の武器」といいますが、かなり昔からあるようですね。太古の昔から、涙を武器に使う女性がいたかもしれないと思うと、すごいと同時に面白いですよね。どんなに剛腕な男性も、女性の涙には敵わない。それはそれで平和でいいですよね。
哲学者たちの名言が現代の日本人の心に突き刺さる理由
なぜ現代を生きる我々に、古代の哲学者たちの言葉が胸に突き刺さるのでしょうか?
それは、我々人類という生き物は、古代から同じことで悩んだり、喜んだりしているからかもしれませんね。
人間の心理を突いている名言をご紹介します。
パスカル
人間は考える葦である
誰でも一度は聞いたことがある名言ですよね。
人とは1本の葦のように弱い存在ではあるが、考える力がある。
私たちは、ただ立っているのではなく考える力があるのですから、常に考えながら生きていきたいですね。
キルケゴール
信念は理屈をもって超越する
理屈=屁理屈のことですが、できない理由をいくら並べても、間違った言い訳をいくらしても、きりがない。成功させようとすると、それを打ち消すためには、より強い信念が必要です。
ヴォルテール
偏見は、判断を持たない意見である。偏見が起きる原因とは、知識の欠如。
どんなに法律を整備しても、どんなに差別をなくそうと何人もの人が立ち上がり戦っても差別や、偏見がなくなったという歴史はありませんね。正しい、知識、歴史などを学んでいくとなくなるかもしれませんね。
ソクラテス
嘘はいつもまでも続かない
1つの嘘を、事実と見せかけようとすると辻褄合わせのために、さらに嘘を重ねていくことになる。嘘の上塗りですね。推理小説などにはよく出てきそうなフレーズですが、実生活でも、つまらない嘘をつくと、大変なことになるので気を付けましょう
哲学者が語る死についての名言
ソクラテスは70歳で死刑宣告をされます。「国家の信仰とは異なるものを信じ、若者をたぶらかしている」という理由です。信仰というのは、紛争の原因となることはしばしばありますが、今の日本ではとても考えられないですね。
死刑を目前に残した言葉です。これという解釈がありませんが、多くの研究者がこうであろうという解釈を添えておきます。
死は悪か福か分からない。死とは人にとっては福の最上となるかもしれない。それを知っている人はいない。
「死」が幸せなのか、不幸なのかは誰にも分らない。当然ですね、誰も死んだ後の世界を見た生きた人間はいないのですから。自分の信じることを否定されたことから逃れられることで、自分がとても幸せになれると言いたかったのかもしれませんね。
死から逃れたいのは病
生きていること自体が「病」。ゆえに病気の治癒は「死」というものにあるということでしょうか。死刑を「病」にたとえた言葉とも言えます。
哲学者の名言についてのまとめ
今回の名言の中に、興味を覚えた言葉はありましたか?心を揺さぶるものはありましたか?
哲学者の名言とは、大昔を生きた先輩たちから、我々現代人へのエールなのかもしれませんね。
何世紀経とうとも、色褪せない言葉を少し心にとめてもらえたらうれしいです。
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