中学校で音楽を学ぶと、音楽記号にも触れる機会があります。
しかし、初めて見た音楽記号の多さや複雑さに戸惑うこともあるでしょう。
また、吹奏楽やピアノなど楽器によって使われる音楽記号も異なるため、覚えることも一苦労です。
本記事では、珍しい音楽記号から吹奏楽やピアノでよく使われる音楽記号一覧、中学校で覚える音楽記号の覚え方までを紹介します。
初めての音楽記号に挑戦する方や、難しい音楽記号に苦戦している方にとっても、役立つ情報が満載です。
音符・休符・連符
音楽をしている方なら、きっと見たことがある音符や休符、連符について説明いたします。
まずは、一般的な音符の種類です。全音符を基本とし、説明いたします。
名称 | 記号 | 意味(長さ※全音符を1とする) |
---|---|---|
全音符 | 1 | |
2分音符 | 1/2 | |
4分音符 | 1/4 | |
8分音符 | 1/8 | |
16分音符 | 1/16 | |
32分音符 | 1/32 | |
64分音符 | 1/64 |
上記が、一般的な音符の種類です。
続きまして、休符です。給付にも結構種類があるので、ご紹介いたします。
名称 | 記号 | 長さ(全休符を1とする) |
全休符 | 1 | |
2分休符 | 1/2 | |
4分給付 | 1/4 | |
8分休符 | 1/8 | |
16分休符 | 1/16 |
休符の長さをしっかりと把握すると、メリハリのついた演奏になります。
逆に、休符のしっかり理解していないとリズムがおかしくなるため注意です。
音符ではないため軽視しがちですが、たかが休符されど休符です。
休符の扱いで、演奏のクオリティが変わります。要注意です!
続きまして、連符です。
連符は、通常の音符を分割して同じ長さを表すものです。分割していますが、長さは同じの音符が連符です。
連符にも種類がたくさんあります。2分、4分、8分と通常の音符と同じように種類がございます。
どれがどれくらいの長さか、ということは記号を見ればすぐに分かります。
同じ拍数(長さ)だが音符の数が違う、ということはリズムも変わってきます。
それが通常の音符と連符の違いです。それでは連符について説明させていただきます。
連符は、よく使われているものを抜粋いたしました。
名称 | 記号 | 長さ(意味) |
8分2連符 | 8分音符を2分割した長さ | |
8分3連符 | 8分音符を3分割した長さ |
連符の読み方が分かれば、曲のリズムもしっかり安定してくると思います。
特に3連符は使いこなせたら(弾きこなせたら)カッコいいですよね。
装飾音・装飾記号
音符の次は、装飾音や装飾記号についてです。
装飾音や装飾記号は、通常の音符や休符を少し豪華な印象にしてくれます。
装飾があるだけでその小節が華やかになります。
曲のテイストにもよりますが、装飾音や装飾記号は秘密兵器とも言えます。
名称 | 英語表記 | 意味 |
---|---|---|
トリル | 基準になる音よりも、2度高い音を素早く繰り返す。 | |
グリッサンド | 音を区切ることなく、滑らせて弾くこと。 上向き、下向きと色んな手法がある。 | |
アルペジオ | 和音において低い音から高い音へと順番に鳴らすこと。 ※一般的には低音→高音だが、高音→低音も稀にある。 | |
装飾音符 | 前の音を素早く弾く。 ポップな曲によく見られる。 | |
ペダル記号 | ペダルを踏む、もしくは上げる。 | |
オクターブ記号 | 1オクターブ上で弾く。 |
色々な装飾記号がございますが、私が個人的に好きなのはアルペジオです。
アルペジオは緩やかで綺麗な曲に多く見られる記号です。
主に低い音から高い音へと順番に、和音を普通に弾くのではなくそれぞれの音を少しバラつかせながら弾くんですよね。
それがなんとも言えない綺麗な音なんですよ。高い音から低い音へと順番に弾くことも稀にありますが、やはり低い音からの方がバランスが良い気がしますね。
変化記号
変化記号は、音を変化させる時に使うものです。半音高く、半音低く、というような変化が一般的です。
シャープやフラットは、みなさん見たことがあるのではないでしょうか。
シャープやフラットだけではなく、変化記号は他にもあるので是非ご覧ください。
名称 | 記号 | 意味 |
---|---|---|
シャープ | 半音高くする。 | |
フラット | 半音低くする。 | |
ダブルシャープ | 半音の半音(全音)高くする。 | |
ダブルフラット | 半音の半音(全音)低くする。 | |
ナチュラル | シャープやフラットで変化をつけた音を元に戻す。 そのままという意味合い。 |
私がピアノを習っていた頃、よくナチュラルに引っかかっていました。懐かしいです。
強弱に関する記号・用語
音楽を演奏する上で、必ず欠かせないのは強弱ですね。
曲に緩急をつけるために使われるのが強弱記号(用語)ですね。
強弱といっても種類がたくさんあるんです。ただ単に「強く」「弱く」だけではありません。
「強い」でも、どのように強く?「弱い」でも、どのように弱く?というように、バリエーションがあるんです。
ここからは、強弱に関する記号や用語をご紹介していきます。
名称 | 記号 | 意味 |
---|---|---|
ピアノ | 弱く | |
ピアニッシモ | とても弱く | |
メッゾピアノ | やや弱く | |
ピアノピアニッシモ | きわめて弱く(どのピアノよりも弱く) | |
フォルテ | 強く | |
フォルテッシモ | とても強く | |
メッゾフォルテ | やや強く | |
フォルテフォルティッシモ | きわめて強く(どのフォルテよりも強く) | |
クレッシェンド | だんだん強く | |
デクレッシェンド | だんだん弱く | |
ディミヌエンド | dim. | だんだん弱く |
アラルガンド | allargando | だんだん強くしながら遅く |
ディミヌエンドまでは音楽をされていたらご存知の方が多いかと思います。
アラルガンドは初めて知りました。強くしながら遅く、ってよく考えてみると結構難しい・・・(笑)
奏法や表現に関する記号・用語
演奏や表現に関する記号や用語もあります。
軽やかに、なめらかに、といったような表現方法がございます。
曲のテイストやその小節に合わせ、その場に応じて表現をします。
名称 | 記号 | 意味 |
---|---|---|
スラー | 違う音から音へ、なめらかに | |
スタッカート | その音を短く切って軽やかに | |
アクセント | その音を強調する。目立たせる。 | |
テヌート | その音の長さを十分に保つ(伸ばすと言う意味ではない) | |
タイ | 同じ音から音へ、つなげるように | |
フェルマータ | 音符(休符)を程よく伸ばす |
同じ曲の同じ小節でも、スラーやスタッカートの場所が異なるだけで結構違ったテイストになると思います。
テヌートは、地味に技術がいる表現です。
ただ単に伸ばすというわけではなく、あくまで「保つ」だからです。
その微妙に異なる意味を理解して演奏することが大事ですよね。
演奏速度に関する記号・用語
※ラルゴ、アレグロなど
名称 | 読み方 | 意味 |
---|---|---|
Moderato | モデラート | 中くらいの速さで |
Lento | レント | 遅く |
Largo | ラルゴ | 幅広く、ゆるやかに |
Adagio | アダージョ | ゆっくりと |
Andante | アンダンテ | ゆっくりと歩くような速さで |
Allegretto | アレグレット | やや速く |
Allegro | アレグロ | 速く |
accelerando(accel.) | アッチェレランド | だんだん速く |
ritardando(rit.) | リタルダンド | だんだん遅く |
ritenuto | リテヌート | 速度をゆるめて |
stringendo | ストリンジェンド | だんだんせき込むように |
Tempo primo(Tempo l) | テンポプリモ | 最初の速さで |
con moto | コン モート | 動きをつけて |
ここまで細かくあると思っておりませんでしたので、調べるのが楽しかったです。
ストリンジェンド(だんだんせき込むように)や、コンモート(動きをつけて)が特に面白いと思いました。
この細かいニュアンスを理解することで、より深い演奏になりそうですよね。
反復記号
反復記号は、長い曲でも短い曲でも使われていますね。繰り返しのための記号もあります。
特にリピートや、括弧が一般的ですね。
ダカーポ、ダルセーニョは理解できたらカッコいいと思います。
名称 | 記号 | 意味 |
---|---|---|
リピート | 記号で囲われた箇所を繰り返す。 もしくは、曲の初めに戻る。 | |
1番括弧、2番括弧 | 繰り返しの1回目(もしくは2回目)に演奏する。 | |
ダ カーポ | D.C. | 曲の最初(一番最初の小節)に戻る。 |
ダル セーニョ | D.S. | セーニョへ戻る。 |
セーニョ | ダルセーニョからここに戻る。 | |
フィーネ | Fine. | 繰り返した後は、ここで終わる。 |
トゥ コーダ | to | コーダに飛ぶ。 |
コーダ | ここで終わる。(トゥコーダの先) |
発想記号
発想記号は、音符だけでは表現できない、より細かい表現を意味する記号です。
数ある中でも厳選したものを一覧にまとめましたので、ご覧ください。
名称 | 記号 | 意味 |
---|---|---|
Dolce | ドルチェ | 柔和に、柔らかく。 |
Cantabile | カンタービレ | 歌うように。表情豊かに。 |
Affettuoso | アッフェットーゾ | 情趣豊かに。愛情をこめて。 |
Agitato | アジタート | 激しく、苛立って。 |
Con fuoco | コン・フオーコ | 熱烈に生き生きと。火のように。 |
Con grazia | コン・グラツィア | 優雅に。気品をもって。 |
Sensibille | センシービレ | 敏感に。感覚で捉えて。 |
Pietoso | ピエトーゾ | 情をこめてやさしく。あわれみをもって。 |
Giusto | ジュスト | 正確な。 |
Pastorale | パストラーレ | 田園風な。 |
Trionfante | トリオンファンテ | 堂々と勝ち誇って。 |
Inquieto | インキエト | 落ち着かない。不安な。 |
いかがでしょうか。ドルチェやカンタービレは聞いたことがある方が多いのではと思います。
意味も、なんとなく想像がつきますよね。
その他もっとたくさんあったのですが、面白いと思ったものをいくつかピックアップしました。
コン・フオーコ(熱烈に生き生きと)は激しさをイメージしますよね。とにかく激しく弾くと。
センシービレ(敏感に。感覚で捉えて)とか、結構難しいと思いませんか?笑
それはもう気の持ちようというか。これを表現するの難しくない?という記号が多かったですが面白かったです。笑
パストラーレ(田園風)にいたっては、その光景を想像できるようにといったことなのでしょうか。奥深いです。
まとめ
音楽記号についてでした。いかがでしたでしょうか。
音楽をされている方でも、わからない記号があったのではないでしょうか。
私もピアノを習っておりましたが、知らない記号がたくさんありました。
いろんな音符や記号を知っているか否かで、曲の完成度が左右するといっても過言ではないと思います。
演奏する時にあらゆる記号に注意・意識をすることで同じ曲でも全然違ってくると思います。
伸ばすところはしっかり伸ばし、強弱をつけるところはしっかりと差をつける。
それができれば、次の段階では発想記号を理解してより深い意味を含めて演奏できるようにする。
ほんの少しの意識することで、かなりメリハリがついて奥深い仕上がりになりそうですよね。
音楽は本当に奥が深いです。楽譜を見ながら曲を聴いてみるのも面白そうですね!
私も次にピアノを弾く時、意識してみようと思います♪
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