エキゾチックで独特な美しい模様が人気のヘナタトゥー。
タトゥーでありながら短期間で消えるので、フェスなどのイベントや海外旅行といった機会にチャレンジする方も多いです。
基本的には消えるタトゥーなのですが、なかなか消えないケースもあるようです。
こんなつもりじゃなかった…
どうすればいいの?
ヘナタトゥーが消えないときに役立つ消し方・隠し方を解説します。
基本的にヘナタトゥーは消える!
ヘナタトゥーは基本的に時間がたてば消えるタトゥーです。
まずは、ヘナタトゥーの原料であるヘナやヘナタトゥーの歴史について説明していきます。
ヘナは、エジプト・インド・北アフリカ・イランなどの乾燥した水はけのいい場所に生える植物です。
ハーブの一種で、乾燥させた葉は爪や髪の染料やヘナタトゥーとして古代から使われてきました。
古代エジプトでは、クレオパトラも爪に塗って愛用していたという伝説もあり、ヘナの歴史の古さを感じさせます。
ヘナタトゥーはインドや中近東などで伝統芸術とされています。
4000年以上前から婚礼や儀式、お祭りなどで描かれてきました。
ヘナタトゥーは化粧のように美しく装飾するだけでなく、しあわせを願ったり、邪悪なものから身を守る魔よけとしての意味も込められています。
ヘナタトゥーは天然素材が染料のタトゥーです。
ヘナの粉は、写真のようにすこしくすんだ緑色をしています。
染められた色は肌の新陳代謝によって薄くなり、最後は消えてなくなることが特徴です。
基本的には消えるタトゥーなのですが、なかには消えにくいこともあります。
どのような場合に消えにくくなってしまうのか、このあと説明していきます。
ヘナタトゥーが消えるまでの期間は?
ヘナタトゥーが消えるまでの期間は、一般的に2週間~1ヶ月程度と言われています。
ヘナタトゥーの手順と消えるまでの流れを見ていきましょう。
ヘナタトゥーのインクは、ヘナの葉の粉末と水や紅茶、レモン汁などを混ぜてペーストにしたものです。
ヘナの葉には、たんぱく質と強く結びつき着色する成分が含まれていて、これが肌を染めます。
ペーストで図柄や絵を描いたあと、3時間~8時間ほど乾かして色を肌に浸透させます。
こうすることで、濃い発色や色を長持ちさせることにつながるのです。
そのあとにペーストをはがします。
はがした直後の着色部分は明るいオレンジ色をしていて、2~3日かけて深い茶色へと色が濃くなっていきます。
ペーストをはがしたあとも肌が染まり続けるからです。
2~3日たったころの深い茶色が色のピークで、それからはだんだんと薄くなっていきます。
そして、2週間~1ヶ月ほどかけて自然に消えます。
これは肌の新陳代謝、ターンオーバーによるものです。
肌は一定の期間で入れ替わる仕組みになっていて、古い角質は垢となってはがれ落ちます。
これを利用したのがヘナタトゥーです。
ヘナタトゥーは一般的に2週間~1ヶ月で消えると言われていますが、「必ず〇日までに消える」と断言することはできません。
年齢や体質、生活習慣などによる肌の状態には個人差があり、肌が入れ替わる周期に違いがあるからです。
ヘナタトゥーが消えない原因
ヘナタトゥーが消えない原因はいくつかあります。
大きな3つの原因を見ていきましょう。
天然のヘナ粉じゃないから
ヘナタトゥーは基本的には消えるタトゥーですが、それは天然のヘナ粉100%で作られている場合。
天然のヘナ粉100%でなければ、タトゥーが上手く消えてくれない可能性があります。
ヘナタトゥーに使うヘナのなかには「ブラックヘナ」と呼ばれる化学物質が混ざったものが存在します。
天然のヘナ粉100%とブラックヘナの違いを見てみましょう。
特徴 | におい | |
天然のヘナ粉100% | 染まるのに時間がかかる | 草や畳、抹茶のような自然のにおい |
ブラックヘナ | 短時間で黒く染まる | 薬剤のようなにおい |
ブラックヘナは「発色がきれい」「色の持ちがいい」といったうたい文句で勧められることが多いです。
しかし、化学物質が含まれているために消えにくかったり、アレルギー症状を引き起こしたりする問題があります。
消えることを前提に描いたヘナタトゥーがなかなか消えないと、焦りや後悔など、かなりの心理的負担になるでしょう。
ミミズ腫れ、かゆみ、痛みといった不快な症状でできた傷は、長く肌に残るかもしれません。
ヘナタトゥーをするときは、ブラックヘナを使っていないか十分に確認してから行うべきです。
ブラックヘナの特徴は、上の表に挙げたもののほかに、いろいろな色を出せるということがあります。
天然のヘナ粉100%では、色の微妙な差はありますが、茶系の色にしか染まりません。
一方、ブラックヘナは黒・赤・緑・紫・ピンクなど種類が豊富です。
見せかけのよさに惑わされそうになるかもしれませんが、一時のきれいさを選択した代償は大きいです。
ヘナタトゥーをするなら、絶対に天然のヘナ粉100%のものを選んでください。
ターンオーバーの周期が長いから
年齢・体質・生活習慣などによって、ターンオーバーの周期が長くなっている場合もヘナタトゥーが消えにくい原因となります。
ターンオーバーとは、新しい皮膚が生まれて古い皮膚がはがれ落ちるという肌の代謝サイクルのことです。
ヘナタトゥーは、ターンオーバーを利用して消える仕組みとなっていますが、その周期は人それぞれ。
一般に、20代の健康な人のターンオーバーは約28日と言われています。
30~40代では約45日。
若くても、体質や生活習慣によって、ターンオーバーの周期が長くなることもあります。
ターンオーバーの周期を整えるには、生活を見直すことが大切です。
睡眠不足や運動不足、脂質や糖質に偏った食事、喫煙習慣、過剰なアルコール摂取、ストレスなどは、ターンオーバーの負担になります。
何も対策をせずに紫外線を浴びていないか、乾燥対策はしているか、スキンケアの方法は自分に合っているか、便通はあるかなどを考えることも重要です。
肌の入れ替わりが正常に近づけば、ヘナタトゥーが自然に消えることも期待できます。
アレルギー体質だから
アレルギー体質であることもヘナタトゥーが消えにくい原因となります。
天然のヘナ粉100%のヘナタトゥーは、アレルギー反応を起こしにくいと言われていますが、なかにはアレルギー反応が出る人もいます。
草に触れるとかゆみやかぶれなどが出る人は、ヘナタトゥーでもアレルギー反応が出やすいです。
ふだんそういった症状がなくても、ヘナペーストに含まれる物質に肌が反応して異常が出ることもあります。
アレルギー反応が出てしまうとかゆみや痛みで肌の調子がわるくなり、ヘナタトゥーが自然に消える妨げになってしまいます。
自覚しているアレルギーがあるかないかに関わらず、ヘナタトゥーをする前はパッチテストが必要です。
二の腕の内側や耳の後ろなど、肌の薄いところにヘナペーストをすこしつけて、肌に異常が出ないかチェックします。
もしかゆみや腫れなどの異常があったときはすぐに中止し、ヘナペーストをはがして洗い流します。
すぐ洗い流せば色もつきませんし、肌の異常も最小限で済みます。
すこし面倒かもしれませんが、ヘナタトゥーを施したあとでアレルギー体質だったことを知って、嫌な思いをしたくはありませんよね。
アレルギー反応が出るか出ないかは実際にやってみないとわからないので、パッチテストは必ず行ってください。
ヘナタトゥーの消し方は?早く消す方法
「自然に消えると聞いたけど、なかなか消えない…」
「なるべく早く消したい」
ヘナタトゥーを早く消す方法をまとめました。
思うように消えないと焦る気持ちが出てきてしまいますが、やり方を守って試してみてください。
ヘナタトゥーを水に濡らす
ヘナタトゥーは水に弱いです。
ですので、水に濡れる機会が増えれば、消えるスピードも早くなることが期待できます。
ゆっくりと湯船につかったり、シャワーを長めに浴びたり、ヘナタトゥーをじっくりと濡らしてください。
汗を流して代謝を良くする
体の代謝がよくなるとターンオーバーが活発になるので、ヘナタトゥーが早く消えることにつながります。
ウォーキングやランニングなどの運動、半身浴や岩盤浴、サウナやホットヨガなどで、じっくりと汗を流してください。
ヘナタトゥーを軽くこする
ヘナタトゥーは摩擦にも弱いので、軽くこすることも効果があります。
ただし、あくまでも「軽く」を守ってください。
なかなか消えなくて焦るからといって、ゴシゴシと力を入れてこすると、傷となって余計に消えにくくなってしまいます。
湯船につかって、肌をほどよくふやけさせてから石けんやボディーソープを塗って、やさしく軽くこすってください。
ピーリングジェルやクレンジングオイルを使う
余分な角質を取り除くときに使うピーリングジェルや、化粧落としに使うクレンジングオイルは、ヘナタトゥーを落としやすくすることにも役立ちます。
ゴシゴシとこすらず、やさしくマッサージするように使ってください。
こちらも、湯船につかってから行うとより効果があるでしょう。
湿布を貼ると早く消えるらしい
湿布を貼ると早く消えるとも言われています。
根拠ははっきりとしないのですが、ヘナタトゥーの種類によっては、早く消すことに役立つようです。
「いろいろな方法を試したい!」という方は、やってみる価値はあります。
しかし、なかには湿布負けする方もいますので、貼ってみてすこしでも異常があったらすぐにはがしてください。
隠しながら自然に消えるのを待つ
早く消す方法をいろいろと試しつつ、「隠しながら自然に消えるのを待つ」というのがいちばん大切なことかもしれません。
ヘナタトゥーを消えやすくする方法はいくつかありますが、即効性は期待できません。
ヘナタトゥーは時間をかけて肌を染めているので、ちょっと何かしたくらいではなかなか色が抜けないのです。
焦って肌を余計に傷つけてしまうことは、最も避けなくてはならないことです。
ですから、自分でできることをやりながら待つというのが最善の方法です。
急ぎの場合はタトゥー除去専門のクリニックへ
どうしてもすぐに消さなければならない場合もありますよね。
そのようなときは、タトゥー除去専門のクリニックへ行くことをおすすめします。
すぐに消すことは、素人にはどうやっても無理です。
急ぎの場合は、あれこれ自分で試行錯誤する前に、いさぎよくクリニックへ行ってお願いするのが得策です。
ヘナタトゥーの消し方でNGなやり方
ヘナタトゥーを早く消したくてやってしまいがちなNGなやり方を紹介します。
まちがった方法では、肌が傷ついて痛いだけなので、決して行わないでください。
強くこする
力まかせに強くこすることは絶対にしないでください。
過度な摩擦は肌を傷つけるだけです。
傷ついたことによって余計に色が沈着してしまったり、傷や色がきれいに抜けるまでに長い時間かかってしまいます。
なかなか消えないヘナタトゥーはストレスになってしまいますが、決して強くこすらず、前述した方法を試してみてください。
何度も洗いすぎる
何度も洗いすぎることも避けてください。
必要以上に洗うことによって、肌が自然に治ろうとする力を奪ってしまうからです。
石けんやピーリングジェル、クレンジングオイルは、適度に使えばヘナタトゥーを早く消すことに役立ちますが、使いすぎは逆効果になってしまいます。
1日に何度も洗ったりはしないでください。
消えないヘナタトゥーの隠し方は?
消えないヘナタトゥーのいろいろな隠し方を紹介します。
それぞれにメリットとデメリットがあるので、自分に合った方法を選んでください。
テーピングやサポーターで隠す
テーピングは、さっと貼るだけでいいので、手軽に隠すことができます。
安いものもあるので、コストの面でも優秀と言えます。
しかし、消えるまで毎日貼り続けるのは若干の不自然さがあり、かぶれる可能性があることはデメリットです。
毎日、肌の調子をチェックすることをわすれないでください。
サポーターは、スポッとはめるだけでいいので、着脱の簡単さがメリットです。
最近ではスポーティーでかっこいいサポーターも販売されているので、見た目もそれほど浮いたりしません。
ただ、蒸れやすいのはデメリットです。
とくに夏場は、サポーターの中が汗で蒸れてしまい、においの原因になります。
サポーターで隠す場合は、適宜外すなどして、蒸れないように注意してください。
コンシーラーやファンデーションを使う
化粧するときに使うコンシーラーやファンデーションも、消えないヘナタトゥーを隠してくれます。
自分の肌の色に合ったものを選べば、自然な見た目で隠せます。
ウォータープルーフのものを使うと、耐水性が加わって水や汗に強くなるのでおすすめです。
ただ、こすれには弱いので、体や服に触れにくいところが適しています。
また、ウォータープルーフの化粧品で隠したとしても、プールや温泉に入ると落ちてしまいます。
水に触れるときは別の方法で隠したほうがよいでしょう。
ファンデーションテープで隠す
ファンデーションテープとは、タトゥーや傷あとをとても自然な形で隠してくれるテープです。
フィット感や防水性があり、シールのようにペタッと簡単に貼ることができます。
肌色の種類が豊富なものの中から選べば、より自然に隠せます。
さまざまなサイズがあるので、自分に合った大きさを選ぶこともできます。
商品によりますが、数日~1週間ほどの持続力があることもメリットです。
ファンデーションテープを貼っている間も、ヘナタトゥーの部分に異常がないか気を配るのをわすれないでください。
ファンデーションテープは、見た目・手軽さ・防水性・持続力どれも優れているので、自然に隠す方法としてはいちばんおすすめです。
プールや温泉などにも気兼ねなく入ることができるので、ヘナタトゥーが消えないからという理由でお出かけを控える必要もありません。
デメリットは、値段が少々高いことです。
ですが、自然に隠すことに特化した特殊なテープであり、ヘナタトゥーがなかなか消えないことに悩む方は試す価値があります。
ドラッグストアや大型店舗ではなかなか見つからないことが多いので、通販サイトでの購入が確実です。
アームカバーやラッシュガードで隠す
腕に施したヘナタトゥーであれば、アームカバーで隠すのも手軽なやり方です。
日焼けや暑さ対策にもなりますから、日差しが気になる季節にはぴったりです。
接触冷感タイプもあるので、快適に使えそうです。
海やプールなど水辺に行くときはラッシュガードがおすすめ。
おしゃれでかわいいものもあり、ヘナタトゥーを自然にカバーしてくれます。
アームカバーもラッシュガードも、それなりの値段はしますが、ヘナタトゥーが無事消えたあとも使えます。
蒸れやかぶれを気にせず隠せることもメリットです。
まとめ
ヘナタトゥーは、天然のヘナ粉100%でつくられたペーストを使っていれば、時間とともに自然に消えるタトゥーです。
皮膚に色を刺し入れる通常のタトゥーとはちがって、自分の気に入った絵柄を短期間だけ楽しめるのが魅力です。
しかし、軽い気持ちでヘナタトゥーを施すと後悔のもとになってしまいます。
- 天然のヘナ粉100%でできているか?
- 化学物質が含まれたブラックヘナではないか?
- パッチテストの結果は異常なしだったか?
これらを必ず確認してください。
ヘナタトゥーがどれくらいの期間で消えるのかは、実際にやってみないとわからないところです。
もし、なかなか消えない場合はこちらで紹介したヘナタトゥーの消し方を試してみてください。
そして、くれぐれも強くこすったり洗いすぎたり、刺激を与えすぎないでください。
ヘナタトゥーの仕組みやブラックヘナの危険性、もし消えにくかった場合の消し方や隠し方を十分に理解して、心をおきなくヘナタトゥーを楽しんでくださいね。
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