皆様は「茶色の物を教えて下さい」と聞くと、どの様な物をイメージされますか?
お茶の色や木材の色、土の色、又は動物の色などを想像される方もいらっしゃるかと思いますが、人によってイメージに差が生まれるのではないかと思います。
それもそのはず、茶色は色相によって濃い茶色から明るいベージュまで実に多様な色合いがあり、とても奥深い色ですので、一概に茶色と言っても様々な色調が存在しています。
ここでは、基本から応用まで様々な茶色の作り方を解説させて頂きます。
皆様が思い描いた茶色をうまく表現することができる様になると思いますので、よろしければ参考にしてみて下さい。
新たな発見やお気に入りの茶色を見つけることができるかもしれません。
茶色の作り方|何色を混ぜたら茶色になる?
では、先ほどイメージされた茶色を作る為には何色を混ぜれば良いか頭にパッと思い浮かぶ方はおられますでしょうか?
いざ、イメージした色を作ろうと思って想像しても何色を混ぜればよいのか中々思い浮かばない方の方が多いのではないかと思います。
私も何色か絵具を混ぜている内についつい暗い色になってしまったり、予想以上に大量の絵具が出来上がってしまった経験があります。
多様な茶色があると言うことは、わずかな色の分量で全く異なる茶色になってしまうと言い変えることができるかと思いますので、意外に難しい作業なのです。
ここでは、なるべくその様な失敗が起きない様に、初心者の方が自分でイメージした色を簡単に作れる様な方法をご紹介させて頂きたいと思いますので、良かったら参考にして下さい。
基本パターンの茶色の作り方
3色で茶色を作る基本パターンについて、ご紹介いたします。
ずばり、【黄+赤+黒】を混ぜる事で茶色を作ることができます。
上手く茶色を作るためには、分量と順番・後はよく混ぜる事がコツとなります。
先ずは黄色に赤色を混ぜてオレンジ色を作ってください。
赤は強い色になりますので、黄色と比較して少量で問題ありません。
色を混ぜる際は良くかき混ぜて下さい。
混ぜ方にムラがあると、最終的に思った仕上がりと違う色になってしまう可能性があるためです。
オレンジ色ができたら、次は黒色を混ぜていきます。
黒色も非常に強い色ですので少量ずつ混ぜる様にして下さい。
黒色の量が多いほど暗い色になりますので、黒色で好みの色に調整するイメージとなります。
三原色を使った茶色の作り方
次は【赤+青+黄】の3色を混ぜて作る方法です。
実は3原色で茶色を作る場合は、全ての色を同量の割合で混ぜるだけなんです!
3原色を等量混ぜると現れる茶色って、なんとなく感動しませんか?(笑)
前述の作成方法の相違点は、黒色を青色に変更した点と各色を混ぜる分量になりますので
黒色の調整が難しい方はこちらの方法の方が茶色を作りやすいかもしれません。
色の調整をする際は、各色の印象を目安とするのがわかりやすい様に思います。
例えば、赤色を多めにすると暖かい印象の茶色
黄色を多めにするとシックな印象の茶色
青色を多めにすると冷たい印象の茶色となります。
青が多めの茶色などは、少しイメージが難しいかもしれませんが、3原色を使用することで、一風変わった色調の茶色をつくり出すことができるのではないでしょうか。
黒なしでの茶色の作り方!二色で作る方法
次は【緑+赤】の2色を混ぜて作る方法です。
勘の良い方はピンときたかもしれませんが、黄色と青色を混ぜると緑色になりますので、緑+赤は、結局、3原色で茶色を作っているのと同じ意味合いとなります。
2色で茶色を作る場合のコツは、緑色に赤色を少しずつ足し合わせて行くことです。
赤色の量を調整する事で、緑色→赤茶色までの間の色を作りやすくなると思います。
参考までに同様に【紫+黄】や【オレンジ+青】でも茶色を作ることができますので、余裕がある方は試してみてはいかがでしょうか。
紫色と黄色で茶色ができるってなんだか意外な気がしませんか?
茶色の種類は豊富!もっと知ろう
いかがでしょうか?
一口に茶色と言っても様々な色調やつくり方がある事を感じていただけたのではないでしょうか。
茶系統の色は日本の伝統色として名前がついているもので72色も存在しているそうですので、本当に種類が豊富ですよね。
ではなぜここまで種類が豊富なのでしょうか?
茶色の歴史を辿るとその理由が見えてきますので簡単にご紹介させて下さい。
茶色の語源は元々、中国から渡来したお茶の色が起源となります。
現代人のお茶のイメージは緑色かと思いますが、実は緑茶の製法が確立されたのは近年のことであり、昔は番茶が主流だったそうです。
お茶は室町時代から染料として使用しておりましたが、江戸時代に幕府が贅沢を禁止した事によって、庶民が着る着物の色にも様々な制限が設けられてしまいました。
制限によって、当時は茶色系や藍色系などしか着ることが許されなかったそうですが、庶民の方はそれであきらめる事なく、茶色に様々なバリエーションをつくり出すことで、微妙な色の違いを楽しんだそうです。
茶色を見るとどこかリラックスできる様な気持ちになるのは、木材などの自然を感じる色というだけではなく、当時の人の創意工夫が受け継がれているからである様に思います。
濃いこげ茶色の作り方
それでは、具体的にどの様な方法で茶色のバリエーションを作る事ができるのか、一例をご紹介させて頂きます。
先ずは、濃いこげ茶色(チョコレート色)の作り方です。
濃いこげ茶色を作る方法の一つは、【黄+赤+黒】か【橙+黒】を混ぜる事です。
新しい方法があるかの様に記載させて頂きましたが、実は先ほどまで説明させて頂きました茶色を作る為の色とコツを用いる事で、容易に濃いこげ茶色を作る事が可能です。
では、何に気を付ければ良いのでしょうか?
答えは、各色を配合する分量です。
黒色で明度を下げるイメージで橙色に絵具を足す事で濃い色をつくり出す事が可能です。
経験的にご存じの方も多いかとは思いますが、一度下げた明度を上げる事は難しいため、黒色を追加する際は慎重に絵具を追加する必要があります。
自由度は低くなりますが、明度を下げる事で濃い色をつくり出す事ができますので、茶色に黒色を直接追加することでも濃いこげ茶色に近い色となります。
また、黒色の代わりに青色を使う選択肢も考えられますが、橙色に青色を混ぜるとカーキ系の茶色になり、イメージとは異なる色となる可能性がございますので、濃いこげ茶色を作る場合は黒色を使用することを推奨いたします。
赤茶色の作り方はコレ!
次は赤茶色(レンガ色)の作り方をご紹介させていただきます。
赤茶色はとても暖かい印象のある色となりますので、ファッションカラーやインテリア・レンガなどの用途に幅広く使用されており、とても人気のあるカラーとなります。
赤茶色をファッションに取り入れる事で、秋冬の季節感を感じることができますので、
茶色の中でも最も人気のあるカラーのひとつではないでしょうか?
赤茶色を作る方法の一つは、【黄+赤+黒】か【橙+黒】を混ぜる事です。
先ほどから全て同じ色を使用する事で紹介しておりますので、混乱しますよね。
赤茶色を作る場合は、名称に記載ある通り赤色を強くする必要があります。
つまり、同じ橙色を使用する場合でも赤色を多めに混ぜる事で、赤みがかった橙色を用意し、そこに黒色を追加する事で明度を下げていくイメージとなります。
たった2~3色の調整とはなりますが、自分の思い通りの色を自在につくり出す事は存外に難しい作業となりますので、すでに作りたい色が決まっており、見本をお持ちな様であれば見本を見ながら、少しづつ色を濃くしていく方法が失敗の少ないやり方となります。
上記は赤茶色を作る一例となりますので、例えば赤色をピンク色に変えたり黄色を金色に変える事でも近い色をつくり出す事ができるかと思いますので、ご興味のある方は色々と研究されてみてはいかがでしょうか?
薄い茶色?くすみ系の茶色の作り方
次はくすみ系の茶色(ミルクティー色)の作り方をご紹介させていただきます。
くすんだ色という表現は少しイメージしにくい方もいらっしゃるかと思いますが、一般的には、灰色が混ざったような色合いで、彩度や明度が低い状態を指します。
くすんだ色という表現は、人によっては、美容や生気が無い状況を表す観点からマイナスイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが、くすんだ茶色は、古い木材やミルクティーの様な色合いとなりますので、とても落ち着いたお洒落な印象がある色調ですので、インテリアなどに好んで使用される色となります。
くすんだ茶色を作る方法の一つは、【黄+赤+黒+白】を混ぜる事です。
言い換えると、茶色に白色を加える事でくすんだ茶色を作る事が可能です。
これまでの作り方と同様に、茶色に白色を追加していく事で上手にくすんだ色を調整する事ができます。
しかし、白色は黒色と比較して強い色ではないので、よりくすんだ色に近づけたい場合は白色に茶色を加えていく方法もあります。
また、使用する茶色に関しても赤っぽい色や黄色っぽい色、もしくは薄い茶色を使うことによってもテイストの異なるくすんだ茶系色を作る事ができますので、よろしければ参考にして下さい。
これも薄い茶色?黄色系茶色の作り方
次は黄土色(黄色系茶色)の作り方をご紹介させていただきます。
黄色系の茶色は、銀杏並木やライオンのたてがみの様な色合いとなります。
黄色は有彩色の中で最も明るい色で、見ているだけで心を弾ませ、元気を与えてくれる色合いとなりますので、黄色系茶色も黄色が持つ心理的効果を期待できます。
秋冬のファッションカラーでもよく取り入れられる色で、寒い冬にも黄色系を取り入れる事でグッと明るくお洒落な印象を与えることができるのではないでしょうか。
黄色系茶色を作る方法の一つは、【黄+赤+黒】か【橙+黒】を混ぜる事です。
黄色系茶色を作る場合は、名称に記載ある通り黄色を強くする必要があります。
赤茶色を作る場合と同様に先ずは黄色がかった橙色を用意して下さい。
そこに黒色を追加する事で明度を調整し、黄色系の茶色を作る事ができます。
また、より簡単に黄色系の茶色を作る方法としては【黄+茶】を混ぜる方法があります。
黄色の分量が多いほど明るい色合いとなります。
一気に色を混ぜると欲しい色を作るために追加で大量の絵具が必要となったり、思い通りの色が作りにくい状況となる恐れがありますので、これまでの茶色を作る方法と同様に茶色に少量ずつ黄色を加える様にして下さい。
ネイルジェルで茶色の作り方も一緒?
ここまでは、絵具で茶色を作る方法をご紹介させて頂きましたが、ここからは、絵具以外の身近にある物で茶色をつくる方法をご紹介させていただきたいと思いますので、宜しければ参考にしてみてください。
先ずはジュエルネイルで茶色を作る方法です。
ネイルジェルとは、ジェル状の樹脂を硬化させる事でネイルを形成する樹脂で、マニキュアとは違い、自然に硬化することはなく、硬化させるためには専用のUVライト等の設備が必要となります。
自然に硬化することはありませんので、絵具の様に色を混ぜ合わせる事が容易です。
また、その他の特徴としては、光沢のある仕上がりやマニキュアよりも長持ちする事が上げられます。
デメリットとしては、専用設備が必要となったり自爪を削る必要がありますので準備に時間がかかる点や、爪を削る必要がありますので爪にダメージを負う点があげられます。
それでは、ネイルジェルでも茶色を作る場合も同じ方法で作る事が可能なのでしょうか?
答えは、「はい」です。
注意点と致しましては、今までと同じ方法で茶色を作る事ができますが、自爪に塗ることになりますので、爪毎に色の差が出ない様に多めに作る必要があります。(調色で同じ色を作る事は難しいので、多めに)
また、爪の色だけが浮いてしまうことがない様に、自分の肌色に合わせた色づくりをする事も重要となります。
一つの案としては、赤色の代わりにピンク色を使用する方法があります。
ピンク色を使用することで、仕上がりをピンクベージュの様な色合いとする事が可能です。
ピンクベージュは肌になじみ易く女性らしい色合いですので、幅広い層から支持を集める人気の高いカラーとなります。
ネイルで定番カラーのベージュ以外にもグレージュ・カーキ・ボルドー・テラコッタ等の人気色も自分で調色して作る事ができますので、ぜひお気に入りのカラーを探してみてはいかがでしょうか?
レジンで茶色を作り方る時の注意点
次はレジンで茶色を作る場合のコツと注意点をご説明させて頂きます。
皆様はレジンとは何かご存じでしょうか?
名前を聞いた事がある方は多いかもしれませんが、実際にレジンを使用して何かを作成された事がある人は意外に少ないのではないでしょうか。
レジンとは人工的に合成された樹脂の事で、最近ではハンドクラフトやジオラマなどで使用される機会も多く、手芸店や100円均一などでも取り扱いがあります。
レジンを使ったハンドクラフトは、レジンの中にビジューやチャーム、ドライフラワー等を入れて固めることで自分だけのオリジナルアクセサリーを作る事が可能ですので、近年、レジンアクセサリーに大きな注目が集まっています。
それでは、具体的な方法のご紹介させて頂きます。
一つ目の方法は、レジン液(透明色)とレジン専用着色剤を混ぜて調色を行う方法です。
レジン専用着色剤は、レジン液を染色するために開発された製品となりますので、レジン液に対して、ほんの少しの量を加えるだけで簡単に着色する事が可能です。
着色剤の分量や組み合わせについては、これまでご説明させて頂いた内容と同じ方法で対応することが可能ですので、ぜひ自分だけのお気に入りの色を作ってみてください。
その他の方法としては、市販されているカラーレジン同士を混ぜ合わせる方法があげられます。
すでに調色されたレジンとなりますので、非常に使い勝手がよく便利ですが、それぞれの色を用意する必要があるため、専用着色剤と比べて保管場所や期限の管理が手間になる可能性があります。
慣れてくると店頭に並んでいるアクセサリーと遜色がないほどに素敵な作品を作る事ができますので、「可愛いアクセサリーを作りたい」「自分の作品を販売したい」等の前向きな気持ちがある方は、色々チャレンジされてみてはいかがでしょうか?
茶色の作り方を徹底解説のまとめ
私達の生活は様々な色で満たされています。
色は、ファッションやインテリアコーディネートに利用されるだけには留まらず、状況によっては、人間の感情や健康に影響を与える事すら可能です。
人間にとって大変重要なファクターとなる色ですが、近年は、市販でお洒落な製品が容易に購入できる時代ですので、深く意識して色と向き合う機会は少ないのではないでしょうか。
今回は、茶色の作り方に焦点を絞ってご説明させて頂きましたが、茶色1色でも様々な色調があり、非常に奥深い世界である事を感じて頂けたのではないかと思います。
普段何気なく見ている景色も、どの様な色が使われていて、どの様に作ればいいのか、また、この色の組み合わせが可愛いなという様な視点で見渡してみると、世界がより色づいて見えるのではないでしょうか?
最後となりますが、ここまで読んでくださりありがとうございました。
今回の記事が、皆様の今後の生活に少しでも貢献できると大変嬉しく思います。
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