高級素材としても人気のある“べっ甲”は、アクセサリーなどに使われておりとても人気があります。
そんなべっ甲は、本物ではないものも多く出回っており、本物をしっかりと見抜く知識が必要です。
今回は、べっ甲の本物の値段や見分け方、べっ甲が高い理由などをご紹介していきます。
べっ甲本物の値段はどのくらい?
べっ甲は、アクセサリーとしても使用されており、老若男女問わず人気がありますね。
そんなべっ甲は、飴色のものから黒が混ざったものなどさまざまで、色によって値段が異なります。
では、どのように違うのかをご紹介していきます。
飴色部分のみの白甲は最高級品
飴色に輝くこちらは、白甲(しろこう)と呼ばれ、希少価値が高くべっ甲の中で最高級品と言われています。
値段は、白甲を使用する量にもよりますが、数万円から高いと何百万円、何千万円することもあります。
べっ甲は、タイマイと呼ばれる甲羅が原材料となっていて、そのお腹の部分から取られるのが“白甲”です。
ブロンドシェルやイエローベリーと呼ばれています。
ブロンドやイエローの名前がついているように、黄色く飴のような色でとても美しいです。
また、最高級品として扱われる理由は希少価値だけでなく、黄色の透明感を出すためには“熟練の技”が必要になります。
そのため、べっ甲の中で最高級品として扱われているのです。
色が濃く艶のある黒甲
黒甲(くろこう)は、甲羅の濃い茶色の部分だけを集めて作られており、よく見る茶色と黄色のべっ甲よりも価値が高いものです。
特に、黒一色の黒甲は『真黒(しんくろ)』と呼ばれ、人気が高いです。
黒といっても、ツヤがあり気品に溢れており、高級感がありますよ。
白甲よりも高級度は下ですが、高い透明度と美しい黒は見る人を魅了します。
値段も白甲よりも下がりますが、それでも数万円から何十万円はする高級品です。
背甲全体を使った茨布甲
茨布甲(ばらふこう)は、見たら「べっ甲だ」と分かるような色ですよね?
茶色と黄色がマーブルのような混ざったものが茨布甲です。
通常は、茶色が強く感じられるかもしれませんが、光にかざすと透明感が感じられ、所々に見られる黄色の色味がとてもキレイです。
見かたや光の加減でさまざまな表情を見せてくれる美しいべっ甲です。
茨布甲の価値はそこまで高くありませんが、茨布甲の中でも白甲が多いものは『上茨布甲』と呼ばれ、少し価値が上がります。
べっ甲の中ではランクは下の方ですが、それでも値段は数万円程度で取引されることもあり、気軽に買えないこともあります。
べっ甲本物の見分け方は?
べっ甲はさまざまな色があり、それぞれランクが異なります。
また、偽物も多く出回っており、安く購入できるものはほぼ偽物でしょう。
ただ、中には巧妙に作られていて、本物と間違えてしまうものもあります。
購入時に間違えてしまわないよう、ここからは見分け方についてご紹介していきます。
本物は微細な模様がある
本物には、微細な模様がありそれを見ることで本物かどうかが分かります。
べっ甲をイメージした時に、黒や濃い茶色に黄色が少し混ざったべっ甲を思い浮かべる人は多いと思います。
その微細な模様によりさまざまな色が表れますが、偽物にはそれがありません。
色も均一で微細な模様による色の変化などが一切なく不自然です。
本物は、ベースの色と混ざる色が均一ではなく、一つとして同じものはありません。
透明感と光沢で色の変化がある
本物のべっ甲は、高い透明感があり光によって色に変化が見られます。
微細な模様とともに、光の当たり具合により色んな表情を見せてくれるのがべっ甲なのです。
しかし、偽物には色の変化は見られません。
そのため、どこから見ても同じ色で表情の変化がありません。
また、表面がくすんでいることも多く、本物のような透明感は出せないのです。
ぜひ、べっ甲を見る機会があったときは、ライトなどにかざして見てみてください。
ルーペで拡大して正面や側面を見る
本物のべっ甲には、重ねられたような層が見られます。
べっ甲は、重ねて作られているため、そのような層が表れます。
また、ルーペなどで見たときに気泡のような泡が中に見られるものは本物です。
しかし、偽物のべっ甲には、層も気泡も一切見られません。
そのため、本物かどうかをしっかりと見極めたい場合は、ルーペなどで確認することをおすすめします。
べっ甲本物ネックレスの値段は?
首元で輝くべっ甲のネックレスは、大人の気品や高級感が出せてとても素敵ですよね。
本物のべっ甲で作られたネックレスは、約10,000~600,000円と幅があります。
先ほど紹介したようにべっ甲にはランクがあり、使用しているべっ甲により値段が異なるのです。
最高級の白甲で作られたネックレスは、660,000円ほどの値段で販売されていることもあり、最高級品であることが分かると思います。
茨布甲などを使用して作られたネックレスは、もっと安く15,000円程度で購入することが可能です。
ただ、上記の値段は全てがべっ甲で作られたネックレスの値段であり、ペンダントのみなどであれば数千円から購入することもできますよ。
べっ甲のブローチ値段は?
胸元で色んな表情を見せてくれるべっ甲のブローチは、控えめながらも落ち着きある上品さが感じられます。
本物のべっ甲を使ったブローチは、約5,000~500,000円と幅があります。
ネックレス同様、使用されているべっ甲のランクによっても異なり、安いものであれば数千円で購入することも可能です。
上の画像のような白甲を使用して作られたブローチは、110,000円となっています。
特に、アンティークなどで人気のある“カメオ”とべっ甲のブローチは、550,000円ととても高額です。
しかし、茨布甲などを使ったブローチは、6,050円ととても購入しやすい値段になっていますよ。
べっ甲のかんざし値段は?
和服によく合うかんざしは、べっ甲で作られたものだと品格を表現できてとても美しく仕上がります。
本物のべっ甲が使われたかんざしは、約10,000~200,000円で売られています。
かんざしに使われるべっ甲のランクや、大きさなどにもより値段は大きく異なるのです。
特に、かんざしは繊細な作りなものも多く、高い技術で作られたかんざしは高くなる傾向があります。
ただ、一部にべっ甲が使われているようなかんざしであれば、数千円で購入することも可能ですよ。
べっ甲のその他アクセサリーの値段は?
べっ甲は、さまざまなアクセサリーに使われており、ピアスや指輪、ブレスレットなどがあります。
指輪やブレスレットは、べっ甲だけで作られているものは、数十万円で売られているものもあります。
ただ、ピアスなどは小さめなこともあり、数千円から数万円で購入することが可能です。
また、一部にべっ甲が使われているものであれば、指輪やブレスレットでも数千円から数万円で購入できます。
どれもステキなべっ甲のアクセサリーは、ぜひ一度手にとって見てもらいたいほどです。
ウミガメのべっ甲の値段が高い理由
べっ甲は、本物であればなかなか高い値段で販売されており、購入をためらう人もいると思います。
では、なぜそんな高い値段で売られているのでしょうか?
ここからは、べっ甲の値段が高い理由をご紹介していきます。
タイマイというウミガメの甲羅
べっ甲の原材料は、タイマイと呼ばれるウミガメの甲羅が使われています。
タイマイは、比較的暖かい地域に生息しており、日本でも見ることができますよ。
べっ甲の歴史は古く、飛鳥時代からあったとされており、昔から日本で愛されてきました。
昔から高値で取引されてきていましたが、ワシントン条約などにより輸入が禁止され希少価値がさらに高くなりました。
そのため、現代では高い値段で販売されるようになったのです。
タイマイは絶滅危惧種
べっ甲の素材となるタイマイは、絶滅危惧種とされています。
その理由は輸出入のために、大量に捕獲されたことにあります。
ただ、1973年のワシントン条約により輸入が禁止になってからは、タイマイが乱獲されるようなことはほぼありません。
ただ、それにより希少価値が上がり、べっ甲の値段はだんだんと上がっていったとされています。
ワシントン条約で輸出入禁止
先ほども触れましたが、ワシントン条約でタイマイの輸出入は禁止されました。
それにより、べっ甲の素材は手に入れることができなくなったのです。
もちろん、タイマイの保護は何より大切です。
しかし、そのためにべっ甲の値段は高くなったとされています。
輸出入ができなくなったため、現在は禁止になる前に手に入れたタイマイの素材を使用して作っている状態です。
いずれ、本物のべっ甲はなくなってしまうのかもしれませんね。
本べっ甲に似せたプラスチック製品は多い
べっ甲は、先ほども触れましたが、偽物が多くあります。
ただ、偽物であっても理解して購入するのであれば、悪いことはありません。
では、どのような物があるのかをご紹介していきます。
手軽に使えるべっ甲風アクセサリー
べっ甲風のアクセサリーは、多くの店舗で見られますね。
本物とは異なり、プラスチックで作られている物がほとんどです。
また、価格も本物のべっ甲の1/10程度で購入することができ、高価なものと異なり手軽に使うことができます。
べっ甲風のアクセサリーは、若い人でも手に入れやすく人気があります。
本物にこだわらない人におすすめ
べっ甲風のアクセサリーは、本物にこだわらない人にはとてもおすすめです。
べっ甲は、本物か偽物かはしっかりと見ないと分からず、パッと見ではまず気づきません。
そのため、偽物だからと言ってバレてしまう心配はないと言っても良いでしょう。
また、本物にこだわらず「べっ甲の色が好き」という人も多くいます。
本物はなかなか値段が高いため「手が出せない」という人もいるでしょう。
そういった人には、べっ甲風の物がおすすめですよ。
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